身体が糖化すると、さまざまな疾患へと進行していくと言われています。糖尿病はその代表ですが、その手前の未病という段階でも健康や美容に悪影響を及ぼします。できれば、未病、なんとなく不調が起こる前に対策をしたいですよね。糖化の原因について探求してみたところ、「余分な糖」と「活性酸素」だとわかりました。それぞれ、さらに詳しく解説しますね。
糖化の原因1. 余分な糖

糖質の多い食品の過剰摂取
糖質はエネルギー源として必要な栄養素ですが、過剰に摂取すると消費されず体に脂肪として蓄積されてしまいます。過剰に摂取すると血糖値が急激に上昇し、それを下げるためにインスリンが多く分泌されます。
通常であれば、食後2~3時間もすれば食事前の血糖値に戻りますが、糖質を摂りすぎたり血糖値を急上昇させるような食べ方をすると、血糖値がうまく下がらなくなります。この状態が長く続くと血管が傷ついて動脈硬化を引き起こし、糖尿病など様々な病気を発症する危険が高まります。

高糖質・低食物繊維の食事
食物繊維が少ない食事は、糖の吸収を速め、血糖値を急上昇させます。
玄米や雑穀米、麦入りご飯、アワ、キビなどが白米に比べて糖質量が少なく食物繊維が多いです。麺類を食べる場合は、低糖質パスタや低糖質麺を使用するとよいでしょう。ご飯をしっかり食べたい場合は、しらたきやカリフラワーなどでかさまししたり、糖質カット・食物繊維豊富な食材を活用したりするのもおすすめです。
糖化の原因2. 活性酸素
糖化は、加齢とともに自然に起こりますが、生活習慣によって促進されます。増えた活性酸素も糖化につながる原因のひとつです。以下の原因を意識し、生活習慣を改善することで、糖化を抑制することができます。

紫外線
紫外線は肌の中の水分子や酸素分子を刺激して活性酸素を生み出し、肌の細胞内に大量に発生させます。活性酸素は肌に限らず、血管や内臓などの細胞の老化も引き起こすと言われています。活性酸素の働きを抑えるには、抗酸化作用の高い食品を摂ったり、日焼け後3日間のあいだに抗酸化作用の高いものを肌や体に与えたりすることが大切です。

喫煙
タバコの煙には、体内の酸化や炎症を引き起こし、活性酸素を産生する物質が多く含まれています。また、肺は酸素を取り入れる場所でもあるため、活性酸素が発生しやすくなります。
タバコの有害な粒子が肺胞マクロファージに侵入すると、それを取り込むことで活性酸素を大量に発生させます。

ストレス
ストレスを受けると一時的に血液の流れが悪くなり、それが元に戻るときに活性酸素が発生します。これを繰り返すことで酸化が促進されます。活性酸素は、細胞内での酸素の代謝過程や外部からの刺激によって生成される反応性の高い酸素種で、ROS(Reactive Oxygen Species)とも呼ばれます。殺菌作用などの働きによって免疫機能を助けますが、過剰になると細胞を傷つけるようになります。活性酸素による攻撃を「酸化ストレス」といい、酸化ストレスによって細胞や物質が傷つくことが「酸化」です。

過度な運動
運動時には血流量や呼吸量が増え多くの酸素を体内に取り込むため、活動している筋組織に多くの酸素が運ばれ、活性酸素の発生量が増加すると考えられています。この活性酸素の増加により、酸化ストレス度と抗酸化力のバランスに不均衡が生じ、筋疲労や疲労からの回復遅延を招き、コンディションの低下に影響を与える一要因となると考えられています。
糖化を抑制する生活習慣を取り入れよう
糖化を抑制する生活習慣には、次のようなものがあります。日々取り入れて習慣にすることで、糖化しない身体づくりを目指しましょう。
食生活を改善する
食べる順番に注意する 食物繊維の多い野菜や海藻類、きのこ類を先に食べ、肉や魚、卵などのメインのおかず、最後にご飯やパン、麺類などの糖質を摂ることで、糖質の吸収が緩やかになります。
ゆっくりよく噛んで食べる 急激な糖質の吸収を抑えることができます。
適正なカロリー摂取を心掛け、肥満を避ける。
調理法は蒸す、煮るがおすすめ 油をあらかじめ加熱しないことで過剰な酸化を防ぎ、AGE(終末糖化産物)を抑えられます。
抗糖化作用をもつお茶を飲む 柿の葉茶、クマザサ茶、グアバ茶、シソ茶、甜茶、ドクダミ茶、ルイボスティーには、糖化を抑える働きが確認されています。
生活スタイルを改善する
基礎代謝を上げるよう運動をする 血流を改善し、身体全体へとしっかり栄養を運び、老廃物の排出を促進します。
睡眠は6時間以上取る
ストレスをため込まない
お酒やたばこを控える
あつあつのお風呂は控える 42℃以上の熱いお風呂に入ると交感神経が優位になり、血糖値が上がり、糖化を招きます。ぬるめの湯にゆっくりつかり、リラックスしましょう。